看護研究を行うには、まず研究テーマを設定しなければならない。しかし、日常の業務をこなしながらでは、当番になったからといって、いきなり適当なテーマが思いつかないのがふつうだろう。
しかし、研究テーマにそれほど悩むことはない。テーマになることなど看護師の日常にそこらじゅう転がっているものだ。普段の業務で疑問に感じたことなどを深掘りすれば、それが立派な研究テーマとなる。
たとえば、勤務先の病院がまだ紙カルテを使用しているとしよう。もし電子カルテを導入したらと想像してみてほしい。カルテの記録がどれだけ効率的になるだろうか、また、どれだけの時間を短縮できるだろうかなどと思いついたら、それが研究テーマになる。他にも、「リハビリをやりたがらない患者に、どうやって意欲的になってもらえるだろうか?」といったテーマも良い。
普段感じる疑問点をテーマにすれば良いといっても、それでも先に進めないこともあるだろう。「こんな疑問が本当に研究テーマになるのかな?」と不安な時は、先行研究を調べることをおすすめする。先輩の研究テーマを見るのでも良いし、ネットで研究論文を検索するのでもよい。「こんなテーマでもいいんだ」と意外とハードルが高くないことに気づけるだろう。
ちなみに、テーマ整理に便利な「PICO」という手法がある。「Problem(問題)」、「Intervention(介入)」、「Comparison(比較)」、「Outcome(結果)」に当てはめて考えると、テーマの輪郭がはっきりしてくるだろう。